梁炳龍(ヤンビョンヨン)小盤展 日本での初めての個展を前に「跡〜자취」
木工を始めて、20年が過ぎました。
幼い頃に見た木工職人達の轆轤作業。
その記憶が、私をこの道に進ませたように感じます。
小盤製作の中でも特に轆轤の作業は、木が辿ってきた歴史の跡を小盤に表現することと感じています。
この作業は私にとって、特に魅力的で製作意欲を掻き立てます。
私はまた、先人達の高い技術とたゆまぬ努力に感謝し、我が国が育んできた、小盤という美しい工芸品を引き継ぐ職人として、誇れる仕事を心がけています。
技術よりも心。
それはまるで、愛する我が子に接するように、一つ一つの小盤を大切に製作しています。
私の小盤から感じる懐かしさと新しさは、古の朝鮮の工芸の軌跡と、現代の工芸とを繋いでいこうとする努力の表れであり、その努力は現代のよき文化として息づいていくと信じています。
韓国の伝統工芸品の小盤が、日本の皆様とともによき跡を築いてくれることを願っています。
日本での初めての個展を前に
梁炳龍